埼玉県・和光市の司法研修所で行われる導入修習や司法修習では、自宅から研修所に通うのではなく、寮へ入ることを考えている方も多いと思います。そこで、こちらでは、実際に入寮を選んだ弁護士と、自宅からの通所を選んだ弁護士にインタビューを行い、それぞれのメリット・デメリットや注意すべき点などについて、詳しくご紹介します。

入寮を選んだ弁護士

青井 大樹 弁護士

■出身地:愛知県 ■修習期:72期・名古屋修習

入寮を選んだ理由

愛知県に住んでいたので、研修所に通うには、寮に入るか、周辺のホテルに滞在するしか選択肢がありませんでした。寮に入ったほうが、ホテルから通うよりも費用が断然安かったので、入寮することにしました。

寮生活のメリット

寮は研修所の敷地内にあるので、通学の負担が大きく軽減されます。講義があっても、朝遅くまで寝ていることができたので、個人的にはとても助かりました。ちなみに、私の場合ですが、講義開始の30分前にベッドから跳ね起きても、かろうじて講義に間に合わせることができました。また、寮に入ると、同じ寮に住んでいるほかの修習生との交流や情報交換が手軽に行えます。自分の部屋やほかの修習生の部屋で、頻繁に飲み会などを開催し、楽しい時間を過ごしていました。

寮生活のデメリット

個人的に気になったのが、寮内の電波状況が悪いことです。インターネットにうまく接続できず、もどかしさを感じることがたびたびありました。また、部屋の壁が薄いため、周囲の物音が気になる方は、過ごしづらいかもしれません。

通所を選んだ弁護士

池田 貴之 弁護士

■出身地:茨城県 ■修習期:72期・さいたま修習

通所を選んだ理由

私は、当時埼玉県に住んでおり、修習地もさいたまでした。導入修習の時は、A班・B班を含めた全修習生が集まるので、和光市の司法研修所があるさいたま修習や東京修習などの近場を選んだ修習生は、寮に応募しても通らないと一般的には言われています。実際に、私が参加した72期・さいたま修習の内、導入修習段階で寮に入っていたのは、2人ほどしかいませんでした。集合修習になってもそこまで入寮者は多くなく、私も自宅から通えるのでわざわざ寮に入る必要はないと考え、入寮はしませんでした。

通所のメリット

自宅から通うので、それまでの生活環境を大きく変える必要がないところです。特に寮となると、四六時中、修習のことを考えてしまいがちですし、土日に気分転換をするのも難しいかと思います。さらに、細かいメリットを挙げると、寮に入っていない人は研修所のロッカーを借りられるので、自分の荷物を置いておけますし、駅までのバスなどの帰り道で、同じクラスの人たちと仲良くなるきっかけが作れたこともよかったです。

通所のデメリット

研修所が和光市駅から離れているので、そもそも通所するのが大変です。ただでさえ、研修所で受ける授業は緊張感があり、慣れない環境で疲れているところ、行き帰りの通所も大変だと、疲れがより溜まってしまうかもしれません。また、飲み会など修習中のイベントは、基本的に和光市近辺で行われますが、さいたま修習だと周りもみんな寮に入っていなかったので、平日の修習終わりに開かれることがほとんどでした。そのため、土日はしっかりと休むことができ、私の場合、この点に関してはそこまでデメリットを感じませんでした。