【第二弾】大学在学中予備試験合格者インタビュー

学部在学中に予備試験に合格し、司法試験を突破した73期新人弁護士へのインタビュー第二弾です。
前回のインタビューとは違った勉強内容となりますので、皆様ご参考にしてみてください!

南澤 毅吾 弁護士の勉強法 

簡単に経歴紹介をお願いします。

南澤 毅吾 弁護士

東京大学法学部第1類(私法コース(現:法律プロフェッションコース))4年生の4年時、平成29年度の予備試験合格し、その後、令和元年度の司法試験に合格しました。

司法試験の勉強を始めた時期やきっかけ(志望した理由等)について教えてください。

南澤 毅吾 弁護士

就活を考えた時に、日系企業に終身雇用されるような将来があまりしっくりこなかったこと、また、起業するほどの勇気がなかったので、自分の裁量で業務量を調整できる弁護士であれば、一定の安定収入を確保しつつ、臨機応変にビジネスチャンスを活用できるのではと感じたことなどです。
正直なところ、あまり深く考えずに予備試験の勉強を進めていった結果、「今さら就活に方針転換するのもなぁ」と感じ、そのまま走り切ってしまったようなところもあります。大学2年生くらいから勉強を始め、3年生で論文落ち、4年生で最終合格となりました。

具体的な勉強法を教えてください。

南澤 毅吾 弁護士

伊藤塾という予備校に通っていました。ここでの勉強に関しては、基本的には予備校のスケジューリングに従ってテキストや答練を進めていっただけなので、特筆することはありません。基本的に勉強は予備校任せだったため、ここではそれ以外で役に立ったツールや勉強法を紹介します。

まず、大手予備校等が出している「短答アプリ」。比較的頭を使わなくてよい短答対策を、移動中や待ち時間等の空き時間に済ませられるのは非常に便利です。ランダム出題機能や正答率記録などもあり、紙の本の上位互換ともいえる性能なので、使わない手はありません。また、どの予備校にも「論証集」のようなものが備わっています。“バカの一つ覚え”のように批判されることもある教材ですが、頻出の論点を論証としてパターン化して、頭に叩き込んでしまうことは短期合格には非常に合理的ですし、私の場合も論証集をメインの参考書として活用していました。

そのほかには、自主ゼミのようなコミュニティも役立ちました。私の場合は運がよく、たまたま高校時代の友人2人も予備試験合格を一緒に目指していたため、定期的に集まって勉強状況や教材のよし悪しといった情報を共有していました。予備試験の勉強は一人でやっていると視野が狭くなりがちなので、自分の勉強法や間違いを指摘してくれる友人の存在は強い武器になります。

ちなみに、大学にはほとんど通っていませんでした。在学中に予備試験合格を目指す場合、大学の授業でやることは結局予備校で習ったことのあと追いになってしまうので、授業を受ける優先度は低いです(もちろん大学によると思います)。

在学中予備試験合格のためのおすすめの勉強法や注意点(ライフスタイル等)はありますか?

南澤 毅吾 弁護士

勉強法の面では、最近では多数の予備校が参入しており、試験対策のノウハウも蓄積されつつあります。「独学したい」というプライドを捨てて、ある程度実績のある予備校にすべてを頼るのが最善解だと思います。注意点としては、予備校の勉強の範囲を超えて、基本書や判例をむやみやたらに調べ、精読し、深掘りするような、独善的な勉強に陥ってしまわないようにすることでしょう。そのような勉強法はどの予備校もすすめていないと思います。学問的な知的好奇心は、予備試験に合格する限りではまったく必要なく、むしろ視野を狭くしてしまいます。

また、予備試験合格のために“情報は命”といえます。予備校の情報も100%正しいわけではないので、多くのアンテナを持っておくことが必要です。そのための手段としては、①受験生や、勉強法を発信している受験大好き修習生・弁護士をフォローするSNSアカウントを作っておく、②自主ゼミなど少人数の受験生同士のコミュニティを作っておくことなどが有力な手段となります。特に収集したほうがよい情報としては、予備校や講師に対する受験生からの評価、模試の情報(特に口述試験)、答練で出題された判例等でしょう。

予備受験生に向けて、メッセージをお願いします。

南澤 毅吾 弁護士

予備試験に早く合格しておくと、任官・任検を含めた就活でアピールポイントになることは間違いなく、仮に最初の職場選びに失敗してしまった場合でも、「ロー卒の人に比べれば、1~2年くらい失敗してもいいか」という気持ちで前向きに転職ができます。

大学生の一番遊びたい時期、周りが遊んでいる時期に苛烈な勉強を強いられるのは決して楽ではありませんが、お酒を飲んだり趣味に散財したりといった遊びは、自由にお金が使える弁護士になってからでも十分楽しいです。 法曹になる夢を中途半端にくすぶらせて、「もっと早く予備試験に受かっていれば…」、「弁護士になっていれば…」といった後悔を抱えているほうが、人生絶対に楽しくないです(笑)
目の前の試験に“全集中”して頑張ってください!