サマークラークとは、法科大学院生や司法試験受験生を対象とした短期間の事務所体験です。その多くが夏季(7月~9月)に行われることから、この名称で呼ばれています。採用選考を兼ねる大がかりなものから、弁護士業務を体験する気軽なものまで、その内容は事務所によりさまざまです。

ここでは、サマークラークの内容や参加目的、また、成績や学歴といった選考基準の有無などを、当事務所および他事務所のサマークラークに参加した2名の弁護士に聞いてみました。

サマークラーク体験談

アディーレのサマークラーク体験談

池田 貴之 弁護士

私が参加したアディーレ法律事務所のサマークラークは、6月頃に2日間にかけて行われ、実際の弁護士業務に近い形での模擬交渉などを体験させていただきました。
アディーレのサマクラは、年齢制限や受験回数などの参加条件は特になく、面接等で選別されることもなく、申し込みをしたら誰でも幅広く参加できるものでした。このサマクラが採用の仮選考というような意味合いはないので、どなたも気軽に楽しく参加していました。
具体的には、1日目は、家事事件の中でも不貞慰謝料請求の事案を題材に、模擬交渉を行いました。その模擬交渉の前には、不貞慰謝料一般に関する講義もしていただき、そこで得た知識を模擬交渉に生かすことができるような内容となっていました。また、模擬交渉後に行われた解説講義で、より理解を深めることができました。
2日目は、交通事故を題材に、損害項目や損害額の算定などを行いました。1日目と同様、こちらも講義後に実際に算定してみるなど、実際の業務に近い形で体験させていただきました。
両日のサマクラによって、基礎的な事件処理に必要な知識・方法を学ぶことができ、その後の修習時や、自らがどのような分野の仕事をやりたいかを検討する際の参考にすることもできました。加えて、昼食や夕食での懇親会があり、所属弁護士の方とお話ししたり、一緒に参加した方とも仲を深めたりする機会となりました。さまざまな情報交換をすることができ、非常に有意義な経験をさせていただきました。

他事務所のサマークラーク体験談

山内 涼太 弁護士

私は、ロースクール2年目の冬にウインタークラーク1件、3年目の夏にサマークラーク1件の計2件に参加しました。
前者は、ロースクールが希望者を一括募集して振り分ける形式で、私は大阪の中規模事務所に2週間配属されました。個人・法人案件を問わず、面談や出廷の同席、契約書レビュー、リサーチなどをさせていただき、幅広い弁護士業務を満遍なく見せたいという方針が感じられました。
後者は、いわゆる大規模法律事務所の東京支店で、自分で応募した後、書類選考と集団面接を経て参加が認められる形式でした。比較的短い期間の中、リサーチおよびその発表会がメインイベントとなっており、採用選考の前哨戦、腹の探り合いという雰囲気が強く表れていました。
両者に共通して感じたのは、ロースクール生が突然、実際の業務に触れても、得られる知識や経験はごくわずかである、ということです。もちろん、担当の先生方は親切に教えてくださったのですが、事件全体の流れを俯瞰する時間がないうえ、実務家が当然と考えているような暗黙知も多かったように感じます。実情に近い地道な弁護士業務という意味では、これもまた大事な経験ではあるのですが、局所的な契約文言のために蔵書と格闘しているうち時間が過ぎていくこともしばしばあり、残念な印象が残っています。


本年度は「オータムクラーク」として開催いたします。