修習地をどのような基準で選択すればよいのかわからず、悩む方も多いのではないでしょうか。また、希望修習地を提出する際には、その場所を選んだ「理由」が求められますが、どのように理由を記載するかといった情報は、多く出回っているものではありません。そこで、こちらでは、アディーレ所属弁護士が修習地を選ぶときに重視したポイントや理由、そしてその結果について、具体的にご紹介します。
修習地選択で重視したことは、何ですか?
東京周辺の修習地であること。結果的には、長崎でした(笑)
当時東京に住んでいたため、できるだけ近場での修習地を希望していました。
当時さいたま市に住んでおり、妻もいたので、できるだけ近場での修習地を希望していました。
実家が東京であったこと、同居中の祖母の介護レベルが上がったことに加え、当時、両親ともに大病を患い通院中であったため、東京近郊以外は基本的に考えておりませんでした。
選択した修習地は、どこですか?
第1希望:東京、第2希望:さいたま、第3希望:水戸、第4希望:群馬、第5希望:長崎、第6希望:宮崎
第1希望:東京、第2希望:さいたま、第3希望:水戸、第4希望:前橋、第5希望:鹿児島、第6希望:宮崎
第1希望:東京、第2希望:さいたま、第3希望:水戸、第4希望:前橋、第5希望:富山、第6希望:山形
第一希望:東京、第二希望:以下、一任。
「理由」は、どのように書きましたか?
理由はあまり深く考えず、適当に書きました。
東京:住所地だから
さいたま:東京から通うことができそうだから
水戸:ふるさとだから
群馬:関東だから
長崎:さだまさしの故郷だから
宮崎:祖父のふるさとだから
第1・第2希望の枠に「関東圏希望」と書きました。
第1・第2希望の枠のところに一言、「妻と同居希望」とだけ書きました。
実家がある旨と祖母の病状、認定された要介護度、両親の年齢、両親の病状を率直に書きました。結果、第一希望の東京でした。
修習地での生活は、いかがでしたか?
第5希望(長崎)でしたが、結果的にはとても良かったです!
長崎は鎖国時代、出島において海外との貿易を継続していた結果、異国情緒あふれる街並み・文化の特色を持っています(様々な文化が混合していること、長崎の特徴をつかむことが難しいことから『和華蘭【わからん】』文化と呼ばれています)。そのため、東京や故郷の茨城とは全く異なる文化に触れることができ、楽しかったです。
また、小規模な修習地であったため、非常に丁寧に指導していただきました。私にとって長崎が、第2の故郷となりました!
合格者祝賀会の席で、お世話になったロースクールの教官経験者の教授に、「第5希望に鹿児島と書きました」と伝えたところ、「君は絶対鹿児島行きだな」と言われました。
その後、実際に来た研修所からの通知には「鹿児島」と書かれており、希望していた関東圏ではありませんでした。けれども、鹿児島での修習は、裁判所が実家から近かったことから、実家から直接通うことができ、経済的にも楽で良かったと思います。
鹿児島修習生の所属するクラスは、熊本、高松、徳島、と全国に散らばった修習生が一つのクラスに集うことになっていましたので、集合修習時の話題性に富み、楽しい生活を送ることができました。また、鹿児島は、小規模な修習地であったため、地元の法曹会の諸先輩方との距離が近く、非常に丁寧に指導していただきました。修習の勤務時間外にも、地元の祭りや集会に参加させていただくこともあり、交流を深めることができました。
私にとって鹿児島は、もともと故郷なので、ほかの修習生の方々のように、第2の故郷を得られたわけではありませんでしたが、その分、郷土愛は深まったかと思います。
結果的には第2希望のさいたま修習でした。さいたま修習は当時住んでいた家から一番近くの修習地でしたので、結果的に通うのはとても楽で良かったと思います。
また、さいたま修習は、千葉修習などのように、修習の1クラス分(70人くらい)の全員がさいたま修習なので、同じ修習地の人が同じクラスでとても仲良くなりやすい環境にあったと思います。現在、私は東京弁護士会に所属していますが、案件によってはさいたま地裁に赴く機会もあります。さいたま修習だった人たちは基本的に、東京やさいたまで就職することが多く、修習を終えた今も付き合いが続くという点でも、さいたま修習で良かったなと感じております。
結果として、第1希望の東京で修習地が決定いたしました。
生活面では、自宅から通うことができ、家族との連携をとりながら祖母の介護にあたることができ、非常に助かりました。
東京修習の特徴としては、採用人数も多く、年齢層も多様でいろいろなバックボーンの修習生と知り合うことができます。
また、裁判所も大規模ですので、地方と比べていろいろな事件に触れる機会が多いと思います。
ほかにも、私は東京勤務希望だったので、就職活動でも移動の煩雑さがなかった点で助かりました。
修習地の選び方や仕組みなど、後悔しない修習地の選択をするために必要な情報をまとめています。