【第三弾】73期オンライン修習実態情報!

前回と引き続き、オンライン修習の情報第三弾です!
皆様も気になる情報があるかと思いますので、ぜひご覧ください。

吉田 修一 弁護士の場合

オンライン修習を終えて、感想はいかがですか?
吉田 修一 弁護士

私の修習地は岡山で、集合修習がオンラインで行われました。私の所属するB班に先んじてA班が集合修習をTeamsで行っていたこともあり、事務的なことでの滞りは特にありませんでした。ただ、Teamsの操作に慣れている教官は比較的スムーズでしたが、中には自分が話さないときにマイクを切らずにハウリングを起こしたりする方もいて、少しストレスを感じました。

Teamsの操作が気になったことを除けば、通勤時間がなく自宅で受けられるので、体力的には非常に楽でした。また、聞き落としがあっても、アーカイブが残っており、再度視聴することができるので安心でした。ただ、対面ではないので、孤立してさみしい人もいるのでは、と思いました。

修習生の声が聞き取りづらいことはよくありましたが、全体の回線が止まってしまう等の深刻な事態はありませんでした。ときどき自分の回線が不調で落ちることもありましたが、前述したとおりアーカイブも残るので、それほど不都合はなかったです。

なお、グループワークが直接の対面で行われないこと、Teamsの共同編集機能を用いて課題を行うということが、今までと大きく異なるポイントで、同じグループになった人や操作の得手不得手(慣れ不慣れ)により、うまくいくときとそうでない場合とで大きな差がありました。

また、セキュリティ管理や書類を受け取る必要があるため、「自らが契約しているネット回線を用いて、住所として届け出た自宅から、オンライン修習を受けなさい」というルールがありました。実家に籠って受けたいという声も聴いていましたので、そういう意味では「オンライン」という名前と実際の修習環境に少し隔たりを感じました。


講義や起案はどのように行われましたか?
吉田 修一 弁護士

採点対象となる各科目(検察、刑裁、刑弁、民弁、民裁の5種)×2通の即日起案ですが、岡山では、地裁の会議室、検察庁の会議室、弁護士会館で開催されていました。コロナ対策として、複数会場の利用や人数の分散が行われていました。
起案の会場の運営は、各機関の修習担当の方がされていました。紐つづりではなく、クリップで留める方式で起案を綴った後、司法研修所への郵送用に提出しました。
そのほかの起案は、自宅で行うこととなっていました。カリキュラムの所定の時間内に起案するよう求められる場合(提出不要)や、Teamsを用いての提出が必要とされ、所定の時間内に事前に利用許可を得た自己所有のPCで起案をする場合がありました。


模擬裁判のロールプレイングはどのように行われましたか?
吉田 修一 弁護士

私の組は、修習地が高知県、愛媛県、岡山県の三県でした。ロールプレイングは、修習地とは関係なく、各自の希望等によって役割分担が行われました。そして、裁判手続進行のパートごとにチームに分かれたり、各訴訟当事者や裁判官ごとのチームに分かれたりして、打ち合わせと書面作成をTeams上で行いました。

実際のロールプレイングで話せるのは、各当事者役チームのうち、1人ずつなので、振られたパートごとで適宜発言者を交代して行っていました。振られた役や担当したパートで負担の大きさにかなりの差がありました。チームによっては、作業が深夜におよぶ場合もあったほか、同一当事者役内でほかの訴訟手続パートチームとの連携を行おうとすると、その分どうしても時間がかかってしまう、ということがありました。 私自身は経験したことがありませんが、イメージとしては、集団訴訟の弁護団での訴訟活動をオンラインオンリーで行う、というのが近いかもしれません。